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COLUMN

2×4工法・2×6工法の違いとは? その性能を徹底比較

2022.11.20

「2×4(ツーバイフォー)」「2×6(ツーバイシックス)」ってなに?

「2×4」「2×6」でどんな違いがあるの?耐震性能、断熱性能は違うの?

など、家を建てようと考えている方なら一度は聞いたことがあるかもしれない「2×4」「2×6」について、わからない事も多いのではないでしょうか。

 

今回は、工法の基本事項を説明した上で、「2×4工法」「2×6工法」の違いについて紹介します。

 

 

2×4・2×6とは?

2×4(ツーバイフォー)、2×6(ツーバイシックス)とは、木材の規格の名称であり、木口の厚さが2インチで幅が4インチ、6インチであることから2×4材、2×6材と呼ばれています。ただし、こちらのインチ数は未乾燥・製材前の寸法となっており、流通している乾燥・製材済の寸法は一般的に以下のサイズとなります。

 [2 × 4材]

   38mm × 89mm

 

 [2 × 6材]

   38mm × 140mm

木造軸組工法と木造枠組壁工法の違い

木造住宅は大きく「木造軸組工法(在来工法)」と「木造枠組壁工法(2×4工法・2×6工法)」の2つに分けられます。それぞれの仕組みと特徴についてご説明します。

木造軸組工法の仕組みと特徴

木造軸組工法は、柱や梁などの軸組みで支える工法です。地震や強風などの建物を揺らす力に対して、軸組みがひしゃげてしまわないように「筋交(すじかい)」と呼ばれる部材を斜めに入れて補強します。

 

樹齢が長く太い木から取られた良い材料を使い、腕の良い大工が熟練の技で木の癖や習性を活かすように組み上げていけば、強く長持ちする家をつくることができます。

ただし、工期が長いこと、そして職人の力量や使う材料によってバラつきが出ることが最大の難点です。また、昨今では職人不足にも直面しています。

木造枠組壁工法の仕組みと特徴

木造枠組壁工法は、フレーム状に組まれた木材の骨組みに合板を打ちつけたものをパネル化し、それらを壁・床・天井に使い六面体に組み合わせる「面」で支える工法です。

 

地震や強風などの外力を“面”で受けとめ箱状の六面体で支えるため、変形が少なく、家具の倒壊等の被害も少なくて済むとされています。

しかし、床から施工していく為、雨の多い日本では構造部分や断熱材などが施工中に濡れやすいことと、大型の部材を使い、大量の釘を打って固定するため、施工に体力がいる事などが欠点とされています。

 

 

木造枠組壁工法のメリット

木造枠組壁工法を住宅に用いることで、具体的にどのようなメリットがあるのかを紹介します。

耐震性が高い

地震が多い日本では、家づくりにおいて耐震性はとても重要な位置付けとなっております。前述の通り、木造枠組壁工法を用いた住宅は、「六面体構造」によって揺れを分散し、建物の変形や崩壊を最小限に抑えることができます。

 

実際に、一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会が行った「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)時に震度6弱以上の地域全域で供給された住宅について被害程度のアンケート調査」では、以下のような結果が出ています。

調査対象住宅は20,772戸(平成23年7月28日現在)ですが、そのうち、当面補修をしなくとも居住に支障ない住宅は19,640戸で95%にあたります。

津波による被害を除けば、当面補修をしなくとも居住に支障のない住宅は98%を占めており、阪神淡路大震災や新潟県中越地震でも判明したツーバイフォー住宅の高い耐震性が今回も実証されました。

 

 引用:【一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会】震災にも耐えたツーバイフォー

断熱性能・気密性能が高い

木造枠組壁工法では、工場で作ってきたパネルを組み合わせるため、面同士が接続する部分の隙間を最小限に抑えることができます。気密性があがることによって、使用するエネルギーの削減・省エネにも繋がります。

 

また、木造軸組工法のように筋交いがあると施工の精度によって断熱欠損等が生じやすくなりますが、木造枠組壁工法はシンプルなつくりなので断熱材を隙間なく入れることが可能ですので、断熱効果を一層高められます。

耐火性能が高い

木造枠組壁工法の住宅では、各部屋に配置されたすべての天井と壁の内側に、高い耐火性を持つ石膏ボードが張られています。石膏には水分が含まれているため、水蒸気を放出することで延焼を防いでくれます。石膏ボードは構造を支えるだけでなく、防火壁としての役割も兼ね備えているのです。

 

また、火災時は床や壁の内側の空間部分が通り道となって火が燃え広がりますが、枠組み材などにファイヤーストップ材を使うことによって、火の流れを遮断できます。そのため、床や壁の内側に枠組み材などが一定間隔で組まれている木造枠組壁工法は、被害を最小限に抑えられます。

省令準耐火構造の認定を受けやすい

住宅の構造によって異なる火災保険の金額。耐火性の高い木造枠組壁工法は、住宅金融支援機構によって定められる「省令準耐火構造」の認定が受けやすく、従来の在来工法に比べ火災保険料が割安に設定されます。

 

また「省令準耐火構造」に認証されると、同様に地震保険料も割引されるため、火災や地震に安心して備えることができます。

工期が短い

木造枠組壁工法では、工場で製作されたパネルを現場で組み立てる方法が一般的です。

基礎工事を終えた後に、1階部分から2階部分へと進めていきます。基礎部分から階上へと工場で製作されたパネルを積み上げられる効率的な作業工程により、工期が比較的短く抑えられます。

品質が安定する

施工手順はもちろんのこと、木や釘・金物サイズなどの使用する部品に至るまで細かく規定があるため、現場や職人ごとのバラつきが発生しにくくなり、住宅の品質が確保されます。

 

 

2×4工法の歴史

1830年代、北米の西部開拓の一拠点だったシカゴで、現在の2×4工法のルーツといえる「バルーンフレーム工法」が生み出されました。

その後、第二次大戦後、アメリカの住宅事情が非常に悪化しました。その際、360万戸ともいわれる住宅不足と極端な建設労働者不足の時代を背景に生み出されたのが、現在日本でツーバイフォー工法と呼ばれている「プラットフォームフレーミング工法」です。

 

日本では1974年建設省(現:国土交通省)が建築基準法に基づく一般工法、つまり普通に建てて良い家としてツーバイフォー(枠組壁工法)を認可。高度成長時の急速に膨れ上がった住宅需要に対する救世主的存在として導入されました。

 

 

2×4工法と2×6工法の違い

2×6工法と2×4工法の違いは単純に厚みです。2×6は2×4よりも壁内の寸法が約1.6倍となります。その分、厚い断熱材を入れることができるため、断熱性能はもちろん、気密性能や遮音性能も大きく向上させることができます。また、構造材が大きい分、建物自体の強度も増しますので、より快適に安心して暮らせる住まいになるでしょう。

 

デメリットとしては、材料が大きく、そして重くなることで現場での作業が大変となります。且つ、大きさに合わせて部材が増える分、コストが高くなることが挙げられます。

 

 

 

まとめ

 

2×4工法も2×6工法も快適に安心して暮らせる住まいをつくる事ができると言えます。さらに、2×6工法の住まいのほうが、より快適で安心できる暮らしを送り続けることができるでしょう。

しかしながら、ここで注意しなくてはいけないのは、同じ工法であっても同じ作り方ではないという事です。

2×4工法・2×6工法は、在来工法に比べて工期が短かったり、現場での作業が少なかったりはしますが、現場での作業は必ず伴います。平均して3日に1回は雨が降ると言われている日本では、建築中に雨となる日もあり、良い材料を使用していても濡れてしまえば性能は変わります。

 

そのため、工法だけでなく各ハウスメーカーの作業工程を確認した上で、いかに品質を確保できるかを判断することが大切です。家族みんなが安心して快適に暮らし続けられる住まいを手に入れるために、建ててからは変えることのできない「品質」にこだわってみてはいかがでしょうか。

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「栃木セキスイハイム」編集部

住まいの販売から土地活用でおなじみの栃木セキスイハイムグループが、家づくりの「わからない」にお応えします。建築士・宅地建物取引士など住まいの専門家による監修のもと記事の執筆を行っています。

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