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軽量鉄骨造の住宅とは?特徴やメリット・デメリットを解説

2023.03.07

軽量鉄骨造とはどんな住宅なの?近年では、鉄骨住宅の需要も増えており、マイホームを検討している方は、どこかで目にすることがある言葉かと思います。

ただ、鉄骨の家という事はわかっていても、耐用年数や耐震性・防音性など構造の特徴を詳しく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、軽量鉄骨造と他構造との違いを解説するとともに、メリットやデメリットについて紹介します。

 

 

軽量鉄骨造とは?

軽量鉄骨造とは、鉄骨造の1つ。鉄骨造とは、建物の柱や梁などの骨組み部分に鋼材を使用した構造のことです。スチール(Steel:鉄)の頭文字をとって「S造」とも呼ばれています。その使用する鋼材の厚みが6mm未満のものを軽量鉄骨造といいます。

 

軽量鉄骨造の住宅を建築する際には、建物の部材を工場で生産し、建築現場で組み立てる「プレハブ工法」を用いるのが一般的です。その他の工法としては、柱と梁を剛接合によって固定し、強靭な枠を作ることで建物を支える「ラーメン工法」などもあります。

鉄骨造の種類

使用する鋼板の厚みによって、軽量鉄骨造と重量鉄骨造にわけられます。

 

軽量鉄骨造:厚さ6mm未満の鋼材(軽量鉄骨)を使用

重量鉄骨造:厚さ6mm以上の鋼板(重量鉄骨)を使用

 

厚み6mm以上の鋼材を使用する重量鉄骨造は、3階建て以上のビルや集合住宅などで用いられることが一般的です。大手ハウスメーカーのなかには重量鉄骨を扱うところもありますが、戸建て住宅で鉄骨造といえば軽量鉄骨と考えてよいでしょう。

 

重量鉄骨造のメリットは耐震性や耐久性に優れていること。頑丈な鋼材で骨組みを作るため、柱や壁が少ない大空間も実現が可能です。

ただし、軽量鉄骨造よりも建築コストは高めとなります。材料に重量があるため、地盤工事や基礎工事に大きな費用がかかる可能性が高いです。

 

 

他構造との違い

建物の構造は主に4種類となります。それぞれの構造との違いを解説します。

構造の種類

・木造(W造)

・鉄骨造(S造)

・鉄筋コンクリート造(RC造)

・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

木造との違い

木造(W造)とは、建物の柱や梁など主要構造部に木材を使った構造のことです。日本は木材が豊富にあったことなどから、昔から多くの住宅で採用されています。

 

木造住宅の特長は通気性や吸湿性に優れていることです。さらに木材は鉄よりも断熱性能が高いため、夏は涼しく冬には暖かい空間となりやすいです。また、軽量鉄骨造に比べると材料費が安く、建築コストを抑えられる傾向にあります。部屋の間取りや設計の自由度が高いのもメリットでしょう。

一方で、現場での作業が多くなるため、天候や工事現場を担当する職人の腕次第で品質が左右されやすいことが大きなデメリットと言えます。

鉄筋コンクリート造との違い

鉄筋コンクリート造には、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めた「鉄筋コンクリート造(RC造)」と、鉄骨の柱の周りに鉄筋を組んでコンクリートを打ち込んだ「鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)」の2種類があります。

 

一般的には、大規模なマンションや高層ビルなどに用いられる構造で、耐震性・耐久性・耐火性・遮音性に優れています。しかし、そのぶん建築コストが高くなるほか、重量があるため、強固な地盤でないと建築できないというデメリットがあります。そのため、個人の戸建住宅に使われることはほとんどありません。

 

 

軽量鉄骨造のメリット

軽量鉄骨造のメリットは、大きく3つあります。それぞれについて紹介します。

耐用年数が長い

不動産の減価償却費用を計算する際に用いられる「法定耐用年数」は以下のとおりで、一部を除いた軽量鉄骨造の住宅は木造住宅よりも長めの耐用年数が設定されています。

 

引用:「耐用年数(建物/建物附属設備)」|国税庁

耐震性・耐久性が高い

新築住宅を建てる際には、どの構造・工法を用いても最低限の耐震性をクリアしていることが前提ですが、軽量鉄骨造の建物は、木造に比べて耐震性に優れています。

柱が鉄骨のため、地震の揺れは木材より伝わりやすいものの、柱が折れるようなことは滅多になく、倒壊のリスクは低いです。また、鉄骨は腐食しにくいため、劣化や風花に対する耐久性も高いです。シロアリ被害で柱が折れてしまうという心配も不要といえます。

 

定期的にメンテナンスを行うのであれば、木造住宅よりも長い期間、建て替えや大規模リフォーム等をせずに住み続けられるでしょう。

職人の腕に左右されず品質が安定する

軽量鉄骨造の住宅は、あらかじめ工場で作った規格化された部材を現場で組み立てる「プレハブ工法」で建てられることが一般的です。そのため、職人の腕に左右されることもなく、比較的品質が安定しています。

また、現場では組み立てるだけなので工期が短く済みます。それにより、天候の影響も受けにくく、品質低下を最小限に抑えられるでしょう。

 

 

軽量鉄骨造のデメリット

軽量鉄骨造にはメリットだけでなくデメリットもあります。住宅を建てる際はデメリットを理解しておくことも大切です。ここでは3つ紹介します。

防音性が低い

4つある構造の中で、特に防音面に優れているのは鉄筋コンクリート造です。鉄骨造は、防音面では性能が低いといわれている木造とも大きな差はありません。鋼材を伝って音が響くので、建て方によっては木造よりも音が気になる可能性があります。

 

ただし、吸音材や遮音性の高い素材の活用によっては、防音効果を高められることもありますので、気になる箇所には配慮してみましょう。

間取りが変更しにくい

軽量鉄骨造の住宅の多くは、プレハブ工法を採用しているため、オーダーメイドの木造住宅に比べると、間取りの自由度は低くなります。

さらに構造を支える筋交い(ブレース)が必要な場合もあり、それによって間取りが制限されることもあります。

 ※筋交い:構造の強度を高めるために、2本の柱の間に斜めに入っている部材

 

また軽量鉄骨造は、骨組みが鋼材で作られているので、一度建ててしまうと、構造自体を大幅に変更することが難しいのが一般的です。そのため、リフォームに制約がでてしまうケースもあるでしょう。

 

将来的なリノベーションを考えている場合は、建ててからリフォームまで一気通貫でお願いできるメーカーに依頼すると安心でしょう。

通気性や断熱性が低い

木造で使用される木材は、調湿効果が高いため、木造住宅は室内の湿度調整がしやすいですが、軽量鉄骨造に使用される鋼板には調湿機能がありません。さらに軽量鉄骨造に使用される鋼板は、外気の影響を受けやすいことも特徴です。

そのため軽量鉄骨造の住宅は、通気性や断熱性が低くなり「夏は暑く、冬は寒い」という状態になりやすいのです。

 

軽量鉄骨造でも、快適な住まいを実現するためには、断熱材や窓などの仕様や種類が重要となってきます。もし十分でないと感じた場合は、壁や屋根の断熱材をプラスする、窓を断熱性の高い二重窓にする、さらには室内の通気性を意識した間取りにする、といった工夫を検討すると良いでしょう。

 

 

 

まとめ

 

軽量鉄骨造とは、骨組みに厚さ6mm未満の鋼材を使用する構造のことです。

主なメリットは、木造住宅に比べて耐震性・耐久性に優れていることや、品質が安定していること。デメリットには断熱性・防音性の低さや、間取り変更のしにくさがあげられます。

 

長い年月を過ごす家だからこそ、軽量鉄骨造の特徴やメリット・デメリットを理解し、自分たちのライフスタイルに合っているかどうかを考えて選ぶことおすすめします。

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栃木セキスイハイム
「栃木セキスイハイム」編集部

住まいの販売から土地活用でおなじみの栃木セキスイハイムグループが、家づくりの「わからない」にお応えします。建築士・宅地建物取引士など住まいの専門家による監修のもと記事の執筆を行っています。

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