家を建てる時の選択肢の1つとなる二世帯住宅。宇都宮市をはじめ、栃木県内の住宅展示場においても、二世帯住宅の間取りにて建築されている展示場も多数ありますよね。
2011年に起こった東日本大震災以降、親や子などとの同居・隣居・近居の割合は、2011年以前の過去5年間と比べ増えているようです。しかしながら、二世帯住宅を建てた後に「こうしておけば良かった」などの言葉を耳にする事も多いそうです。そこで今回は、後悔しない家づくりのために、二世帯住宅のメリット・デメリットを共有パターンの違いによるタイプ別にてご紹介します。
二世帯住宅の主なタイプとメリット・デメリット
二世帯住宅の主なタイプ
二世帯住宅は、共有パターンの違いによって主に「完全同居型」「部分共有型」「完全分離型」の3種類に分類されます。建てた人のパターンとしては、「部分共有型」「完全同居型」「完全分離型」の順番に多いようです。
二世帯住宅のデメリット
二世帯住宅に共通して、良く言われているデメリットを挙げます。
・知人を気軽に呼びづらい
共有部分に招き入れることになり、音や時間が気になってしまうため気軽に呼べないことが多いようです。また、知人たちも遊びに来づらくなり自然と足が遠のいてしまうようです。
・生活音が気になる
各世帯の生活リズムが違うため、どちらかが休息している時間帯における洗濯機の音や赤ちゃんの泣き声などに煩わしさを感じるようです。活動している側も、できる限り音をたてないように気を遣わなければいけないため、それもストレスになっているようです。
・共有スペースを自由に使えない
共有スペースは、お互いに使っているかどうかを気にしながら使うこととなります。特に、キッチンやお風呂は大まかにお互いが使う時間が決まってきてしまい、いつもと少し違う時間帯に使いたい場合、自由に使うことができない事があるようです。
・希望する家づくりができない
当事者が多くなる分、意見も多くなり、折り合いをつけたり妥協しなければならない部分が増えます。世代が違ければ、価値観や好みが合わないことも珍しくないため、自分が描いている理想の家づくりができない事もあるようです。
・生活費の負担割合が把握しにくい
電気や水道契約、冷蔵庫や洗濯機などの家電を共有しているため、どちらの世帯がどれだけ使用したかをはっきりと把握するのは困難です。「自分たちのほうが負担割合が多い」といった不満につながることもあるようです。
完全同居型の二世帯住宅の特徴
完全同居型は、一つの住宅を二世帯で共有するパターンです。玄関やリビング、お風呂やトイレなどの水回りを一緒に使用します。
メリット
・建築費・生活費を安く抑えられる
キッチンやお風呂、トイレなどの設備を二世帯で共有するため、建築費が安く抑えられるケースが多いです。建築費のみならず、洗濯機や電子レンジなどの家電やインターネット回線、電気や水道契約なども共有するため、光熱費などの生活費も節約できます。
・将来、対応しやすい
建築当初は二世帯であっても、将来的に単世帯になることもあるかと思います。その場合でも、設備等が1つのため、無駄が少なく、そのまま暮らし続けることができます。
・賑やかな暮らしができる
寝室などのプライベート空間以外をすべて共有するため、単世帯で暮らすよりも大家族のように賑やかな日々を過ごせるでしょう。
デメリット
・上記の【二世帯住宅のデメリット】が最も顕在化しやすいです。
部分共有型の二世帯住宅の特徴
部分共有型は、一部分を共有する二世帯住宅のパターンです。玄関のみを共有、玄関とお風呂を共有など、どの部分を共有するかに決まりはありませんが、一部を一緒に使用します。
メリット
・ほどよい距離感を保ちやすい
一部分のみを共有するスタイルなので、生活は共にしつつもプライベート空間が確保でき、つかず離れずの適切な距離感をつくりやすい。
デメリット
・共有する部分の検討が必要
共有する部分と分離させる部分を選択できるため、事前にお互いの考え方をすり合わせることが重要となります。曖昧な部分も残してしまうと、住み始めてから想定外のストレスを抱えることにも。
・共有部分が多くなるほど、上記の【二世帯住宅のデメリット】が顕在化しやすくなります。
完全分離型の二世帯住宅の特徴
完全分離型は、玄関をはじめ全ての生活空間を分離する二世帯住宅のパターンです。上下または左右で世帯を分けるケースがあります。
メリット
・プライバシーを確保しやすい
共有する空間がないため、各世帯ともにプライバシーが確保できます。また、それぞれの生活リズムを尊重しながらも、困ったときは助け合うこともできます。
・生活費が世帯別に把握しやすい
家電等の設備は勿論ですが、電気や水道契約も別々にしておけば、各世帯での計算となりますので、費用が明確になります。
・賃貸経営ができる
共有するスペースがなければ、どちらかに住み続けながら、残りの一世帯分を賃貸に出すこともできるため、リスクを抑えた形で家賃収入を得ることも可能になります。
デメリット
・建築費が高い
それぞれの世帯が水回りや玄関を配置するため、建築費は高くなります。
・世帯同士の日常的な交流が生まれにくい
共有するスペースがないため、一日の中で一度も会わない事もあるでしょう。
二世帯住宅を暮らしやすくするためのポイント
一人になれる空間の設置
家族や親子であっても、それぞれ違った価値観をもっています。フレキシブルに使える和室など、個室でなくても一人になれる空間を設けて、気兼ねなく暮らせるような工夫。
最低限の独立性の確保
各世帯での生活リズムの違いが、お互いのストレスにつながります。例えば、LDKは共有だとしても、ちょっとしたことができるミニキッチンを設けるなどして、最低限の独立性を保てるような工夫。
将来の暮らしまで想定
家族の将来の暮らしや、さまざまな可能性まで想定したプラン。例えば、上下分離型にした場合は、賃貸や転売の際は足かせになりやすかったりもしますので注意。
まとめ
ご家族によって「生活費を極力抑えたい」「一定の距離を保ちたい」「子育てを助けてもらいたい」「介護が必要」など希望や優先度はさまざまかと思います。住んでから後悔しないために、どんなタイプの二世帯住宅にしたら自分たち家族は暮らしやすいのかを、各パターンそれぞれの特徴を把握した上で、ご家族全員で話し合うことがとても大切です。
栃木セキスイハイムは、宇都宮市をはじめ、栃木県内に平屋から2世帯まで、様々な設えの展示場を17ヶ所ご用意しております。お客様のご要望に合わせたご提案をさせていただきますので、ご検討の際は、ぜひ一度お声掛けください。お待ちしております。
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