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COLUMN

耐震等級とは?耐震等級1,2,3の違いを解説

2023.01.23

耐震等級ってなに?耐震等級はいくつあれば地震が起きても大丈夫なの?

など、地震が多い日本に住んでいると「耐震」という言葉をよく耳にするため、「耐震等級」という言葉についても何となく意味がわかったようなつもりになってしまいがちですが、実際にその意味をよく理解できていない方も多いのではないでしょうか。

 

「耐震等級」についての知識を身につけることが、安心・安全な家づくりにつながりますので、今回は「耐震等級」の概要や各等級の違いなどについて紹介します。

 

 

耐震等級とは?

耐震等級とは、住宅性能評価書における地震に対する建物の強度を表す指標のことです。

住宅性能評価書とは、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、本格的に運用された「住宅性能表示制度」を受けることで発行される建物性能の評価書を指します。

 

耐震等級では、建物の耐震性に応じて3つのランクに分けられ、地震があった際に建物がどのぐらい耐えられるのか、地震に強い建物かどうかなどを判断しています。

等級は数字が大きければ大きいほど耐震性が高いと評価されます。1より2のほうが、2より3の方が耐震性に優れており、等級3が最高等級となります。

 

しかし、住宅性能表示制度自体は義務付けられているものではなく、任意で評価を受け評価書を発行してもらうものです。そのため、建物の建築時には建築基準法を遵守していれば建築許可が下りるため、必ずしも評価書を取得する必要はありません。

また、一部の建物やマンションは、間取りの自由度やコスト削減を重視し、耐震性を建築基準法と同等の耐震等級1にしているケースもあるので注意が必要です。

耐震等級1

「建築基準法の耐震性能に達する強度」

数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)に対して倒壊や崩壊しない・数十年に一度発生する地震(震度5程度)に対しては住宅が損傷しない程度

 

等級の中でもっとも低いランク。住宅などの建物を建てる際には、建築基準法で定められている耐震基準を満たさなければいけません。耐震等級1は、建築基準法で定められている最低限の耐震性能を備えていることを示します。

等級1は、震度6~7の地震にも1度は耐えられる耐震性です。ただし、気を付けたいのは、震度6~7の地震で「倒壊・崩壊しない」の意味です。これは「倒壊はしないが、一定の損傷を受けることは許容している」ということなのです。即時倒壊や崩壊はしないものの、その後大規模な修繕や建て替えが必要になると想定されます。

耐震等級2

「耐震等級1で想定される1.25倍の地震に耐えうる強度」

災害時に避難施設となるような学校や病院などは耐震等級2以上で建築

 

震度6~7の地震にも耐えられる耐震性があり、その後も一部の補修を行えば生活できる可能性が高いと考えられます。

長期優良住宅として認定されるためには、耐震等級2以上が必須の条件となります。

耐震等級3

「耐震等級1で想定される1.5倍の地震に耐えうる強度」

災害時の拠点となる消防署や警察署などの多くは耐震等級3で建築

 

住宅性能表示制度で定められた耐震性の中で最も高いレベルであり、大きな地震を受けてもダメージが少ないため、軽微な修繕のみで住み続けられると想定されています。

震度7の揺れが、立て続けに2回起こった熊本地震では、1度目は耐えたが2度目の地震で倒壊した住宅も多数あった中、等級3の住宅は2度の震度7の地震に耐えていたことが、専門家の調査によって明らかになっています。

耐震等級3相当

ハウスメーカーや工務店の宣伝文句として「耐震等級3相当」という言葉を目や耳にしたことがある人もいるかもしれません。

耐震等級3相当とは、国土交通省に登録のある第三者機関による住宅性能評価を受けてはいないが、耐震等級3の耐震性がある設計・施工を行っているという表記です。

ただし、表記には明確な規則や指針がありませんので、本当に耐震等級3が取得できる設計・施工なのかを事前に確認しておきましょう。

 

 

耐震等級を決めるポイント

建設物において耐震等級を決定する際に判断基準となる4つのポイントを紹介します。

建物の重さ

建物の重さは、地震の揺れの被害に比例します。軽ければ軽いほど影響は少なく、重ければ重いほど揺れの振り幅が大きくなってしまいます。例えば、日本に多い木造住宅は、鉄骨造やコンクリート造に比べると軽いため、地震耐性には有利になるといわれています。

耐力壁の使用量

耐力壁とは、地震や風などで受ける横からの力に抵抗する壁のことです。単純に”耐性の高い壁を使用している=安全”につながります。

耐力壁と耐震金物のバランス

耐力壁と同様に、建物の耐震性を上げるために耐震金物が使用されます。これらの要素(耐力壁・耐震金物)がバランス良く配置されることで、耐震効果が発揮されます。逆にバランスが悪い建物は、耐震性が低くなってしまうケースもあるので注意が必要です。

床の耐震性能

壁と床はつながっているため、どんなに壁が頑丈でも土台である床が破損・崩壊すれば、地震の揺れには耐えられません。床の耐震性能が高ければ、耐力壁が受けた揺れを受け流すことができるため、ダメージを抑えることにつながります。

 

 

耐震等級が高い住宅のメリット

耐震等級の高い住宅を建てるメリットは、大きく3つあります。それぞれについて紹介します。

大地震発生時に倒壊のリスクが低い

当然ですが、耐震等級の高い住宅は大地震発生時に倒壊のリスクが低くなります。国土交通省住宅局が行った【熊本地震における被害に関する調査】では、耐震等級1レベルの住宅では7棟が倒壊、12棟が大破、33.6%が何かしらの損害を受けていることが示されています。一方、耐震等級3の住宅では、倒壊・大破した住宅はゼロ、さらに87.5%の住宅が無被害で済んでいることがわかっています。

 

引用:「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書【国土交通省 住宅局】

地震保険料が安くなる

地震保険には、「耐震等級割引」というものがあります。耐震等級のランクによって保険料が割り引かれるもので、等級が高くなるほど割引率も上がります。

・耐震等級1の住宅は10%の割引

・耐震等級2の住宅は30%の割引

・耐震等級3の住宅は50%の割引

住宅ローンを低金利で借り入れできる

民間金融機関と住宅支援機構が提携・提供している全期間固定金利住宅ローンにフラット35というものがあります。フラット35では住宅の技術基準レベルが高いほど、金利で優遇をするという仕組みを用意しています。

例えば、新築住宅の場合、耐震等級2の条件を満たす住宅であれば、当初5年間の金利が0.25%引き下げられます。さらに耐震等級3の住宅であれば、当初10年間0.25%の金利引き下げを受けることができます。

 

引用:ずっと固定金利の安心【フラット35】

 

 

耐震等級が高い住宅のデメリット

耐震等級の高い住宅を建てるデメリットもあります。ここでは2つ紹介します。

コストがかかる

耐震等級の高い住宅を建てるには以下の2つの費用がかかります。

・耐震性能を高めるための工事費用

・耐震等級を証明するための検査・申請費用

 

耐震等級2、3を証明するためには国土交通省が指定する住宅性能評価機関という専門機関による検査を受ける必要があります。評価項目により費用は異なりますが、相場で10万円~30万円程度かかるといわれています。

間取りの自由度が下がる

住宅の耐震性能を上げるためには、壁の量を増やしたりする必要があります。そのため、耐震等級の高い住宅を建てようとすると、間取りの自由度が下がってしまいます。

例えば、壁の量を増やしたことで、広々とした開放的なLDKや大きな掃き出し窓などを採用することができなくなる可能性もあります。

 

 

耐震等級で注意すべきポイント

建物を購入したり建てたりする場合の耐震等級に関するポイントを紹介します。

注文住宅を建てる場合

注文住宅を建てる場合、耐震等級をどうするかは施主が自由に希望できます。耐震等級についての要望がある場合は、しっかりと伝えましょう。希望を出さない場合は、工務店やハウスメーカーが独自に定めている基準で設計・建築される場合がほとんどです。

特に「思っていたよりも耐震等級が低い」という、後戻りできない後悔をしないためにも、初期段階で要望を伝えることが重要です。

建売住宅・中古住宅を購入する場合

建売住宅・中古住宅の場合は、耐震等級がわからない住宅もあります。住宅性能表示制度は評価書の取得を義務付けるものではなく、任意です。そのため、評価を受けておらず、耐震等級が明らかでない住宅もあります。

このような場合は、築年数などをもとにして最低限の耐震性をチェックしましょう。新耐震基準が定められた1981年6月1日以降に建てられた建物は、少なくとも耐震等級1の強度があると見なせます。

 

 

セキスイハイムの耐震等級

品確法の最高等級が標準仕様※1

・耐震等級(倒壊防止) : 等級3

・耐震等級(損傷防止) : 等級3

実大耐震実験の実施

大きな開口やバルコニーを採用したセキスイハイムの標準プランの建物に、250回を超える加振実験を実施。あらゆる地震の条件を想定し、巨大地震への備えを検証しています。

震災での被害状況

阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの過去に起きた大地震の被災地において、セキスイハイムの建物は「倒壊なし」※2であり、真の強さを発揮しました。

 

※1 一部の特殊プランにおいては対象外となります。

※2 「倒壊なし」とは構造体ユニットのボックス形状が保たれている状態、もしくは補修により耐震性能が回復できる状態により定義しています。ただし、津波・地盤変動(地盤沈下・液状化等による地盤の損害を伴うもの)による被害はふくみません。(2016年6月25日当社調べ)

 

 

 

まとめ

 

納得できる家づくり・家選びを行うために、耐震等級についての知識を持つことはとても大切です。大切な家族と過ごす住まいだからこそ、その安全性は、最も重要な要素になるかと思います。

 

住宅の「耐震等級」は3段階あり、耐震等級1であっても最低限人命を守ることはできると定められておりますが、地震が起きた後もその家に住み続けることを考えると、耐震等級2以上である方が望ましいといえるでしょう。そして、より安心で安全な暮らしをしたいのなら、最高等級である耐震等級3の家を選ぶことをおすすめします。

運営者情報

栃木セキスイハイム
「栃木セキスイハイム」編集部

住まいの販売から土地活用でおなじみの栃木セキスイハイムグループが、家づくりの「わからない」にお応えします。建築士・宅地建物取引士など住まいの専門家による監修のもと記事の執筆を行っています。

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