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COLUMN

“ウッドショック” 木材の価格高騰が住宅に及ぼす影響とは

2021.06.04
ウッドショック

おうち時間の増加により「DIY」を始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ホームセンターで木材を購入し、自分自身もしくはご家族で楽しみながら、オリジナルのものが安価でできるのが魅力ですよね。ただ、いま木材が世界的に値上がりしており、1本の木材は勿論ですが、木材を多く使用する住宅に大きな影響を与えております。

なので、今回は ”ウッドショック” が住宅に及ぼす影響についてご紹介いたします。

 

 

海外材高騰の原因

コロナ渦の影響によって、世界中で建築需要が高まっています。アメリカでは住宅時間の増加やテレワークの普及により、都心の集合住宅から郊外の一戸建てへと移住する人が増え、住宅市場が好調に推移しています。反面、コロナ渦の影響でSPFの製造を減産していたため、需給バランスが崩れつつあります。

ここに、中国の木材需要の増加と世界的なコンテナ不足が拍車をかけ、ヨーロッパからの集成材が日本に入ってこない状況が表面化しています。

これら木材需要の高まりによる供給不安とコンテナ不足による海上運賃の上昇により、木材のみならず製鋼原料の合金鉄などの産業資材が高騰しています。

※SPF:北米産の針葉樹の3つの木の名前の総称であり、DIYでも重宝されている木材。

 

集成材の輸入量

 >林野庁 木材輸入の状況

 

国産材高騰の原因

海外からの木材輸入量の減少に伴い、国産材の需要が高まっています。しかしながら、急に伐採業者や乾燥機を増やす事はできないため、供給量が需要増に追いつけていない状況です。

そのため、国産材に関しても高騰を続けております。かつ、高い金額を出しても簡単には木材を調達する事ができなくなっています。

 

国産材の価格推移

 >農林水産省 木材価格統計調査

 

今後予測できるリスク

工事の遅延

材料調達の多くをヨーロッパに頼っているプレカット工場では、調達不足のために新規の受注を止めざるを得ない状況も近づきつつあるといいます。こうなってきますと、【受注しても着工できない】という状況が多発する可能性があります。

ご家族の入学や就職が理由で「○○までに建てなくてはいけない」と考えている方、住宅支援策を利用しようと思っている方等、建築期限が決まっている場合は、早めに新築計画を進めないと間に合わなくなるリスクが御座います。

 

住宅の高騰

このような状況下で住宅の柱や梁・内装等に使う集成材の値上がりも進んでおります。今後さらに価格が上昇する可能性もあり、現状では全く先が見えない状況であると言えます。そのため、安易に建築時期を先延ばしにしてしまうと、同じ建物であっても価格が上昇してしまうリスクが御座います。

 

住宅メーカーの対策

必要な材料費が上がれば、もちろん住宅メーカーも対策をしなくてはいけません。急激な価格変化に対応するためには、企業努力があるにしても、根本的な対策としては2種類しかありません。

 

住宅の値上げ

材料費の上昇に合わせ住宅価格をあげる、という単純な事です。とはいえ、住宅価格を上げれば上げた分だけ、お客様が離れていくリスクが高まっていくでしょう。

 

木材を減らす

住宅価格を変えないために、高騰した木材を減らす。今まで3本使用していた箇所を2本にする・壁や床の合板厚さを薄くする等、見えない部分で削ることにより、価格を据え置く事が可能となり、お客様離れを引き起こさずに済むでしょう。

 

木造住宅検討の方の対策

検討している住宅メーカーの対策がどちらなのか確認する。その上で、住宅の性能を確認しましょう。

 

例えば、耐震性能について考えてみましょう。

仮に木材を減らす対策をしたメーカーがあっても、「震度7に耐えられる家」となる建築基準法の最高等級をクリアできるよう調整するでしょう。ここが危険なのです。震度は「7」が最高値で、8や9はありません。

関東大震災 [300~400ガル] も東日本大震災 [2933ガル] も同じ震度7です。そのため、「震度7に耐えられる家」が地震に強い家ではないという認識をもって必ず確認しましょう。

※[ガル]とは、地震の加速度を表す単位で、揺れの強さを表すのに用います。

 

 

まとめ

 

世界的な木材高騰 “ウッドショック” が、住宅購入に大きな影響を与えることでしょう。記憶に新しいところでは、コロナ渦により起きた「マスクの品薄」と同じ現象と言えます。需要と供給のバランスが崩れた事により、それまではいつでも買えたものが、並ばないと買えない、高くても買う、といった現象を巻き起こすのです。

人生で一番大きな買い物である家。そして人生において必要である住まい。少しでも満足できるマイホーム購入のためにも、早めの検討をおすすめします。セキスイハイムでは、どんな些細なご相談でもお待ちしております。この機会に、家づくりの初めの一歩を踏み出してみませんか。

 


 

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「栃木セキスイハイム」編集部

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