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COLUMN

太陽光発電の仕組みは?太陽の光から電気をつくる仕組みを解説

2023.10.02

太陽光発電という言葉は、とても身近になっているかと思います。ただ、

「実際にどうやって太陽の光を電気に変えているの?」

「どうやって売電するの?誰が負担しているの?」

といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は太陽光発電に関する仕組みについて解説します。

 

また、太陽光発電だけでなく、蓄電池を搭載する方も多くなってきておりますので、蓄電池の仕組みについても解説します。

 

 

太陽光発電の仕組み

まず、太陽光発電とは、太陽の光を利用して電気を作る発電方法です。

この太陽光発電を行うために、おもに2つの機器が必要です。それが、ソーラーパネルとパワーコンディショナーとなります。それぞれの機器が果たす役割や仕組みについて解説していきます。

 

ソーラーパネル

ソーラーパネルは、太陽電池を複数集め、アルミ枠に入れて大きなパネル状にした製品です。太陽光パネルや太陽電池板、太陽電池モジュールなどとも呼ばれています。

ソーラーパネルをよく見ると、小さな四角いパネルがたくさん組み合わさってできていることがわかります。この一番小さなパネルが太陽電池です。

 

ソーラーパネルの原料は、シリコンなどの半導体です。一般的には、n型半導体とp型半導体という、導線によって結ばれた2種類の半導体をはり合わせてつくられています。

太陽光が半導体に当たると、n型半導体のほうにマイナスの電気を帯びた「電子」が、p型半導体のほうにプラスの電気を帯びた「正孔(せいこう)」が集まります。この2つの半導体をつなぐ導線を伝わって、電子が正孔のほうに移動します。この流れを使い、電気を取り出すのがソーラーパネルの発電の仕組みです。

パワーコンディショナー

ソーラーパネルで発電された電気はそのまま家庭で使うことはできません。

 

ソーラーパネルで作った「直流」の電気を、パワーコンディショナーで「交流」の電気に変換することで、照明やエアコンなどに使用することができるのです。パワーコンディショナーは、このような切替え作業の他にも、各回路の電圧調整などもしており、消耗が激しい部分となります。

 

ハイブリッドパワーコンディショナー

今は、ハイブリッドパワーコンディショナーの需要も多くなっております。

ハイブリッドパワーコンディショナーとは、太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナーを1台で兼用できる機器です。

仮に、パワーコンディショナーが各々別の場合、太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯める際、直流→交流・交流→直流と2度変換することになり、変換時のロスが大きくなってしまいます。

ハイブリッドパワーコンディショナーであれば、発電した直流の電気をそのまま蓄電池に貯めることができるため、変換時のロスを最小限にとどめることができるのです。

 

太陽光発電の売電の仕組み

太陽光発電で発電した電気は、分電盤に流れ込み、家庭内で優先的に使用します。家庭内で使い切れなった余剰分を電力会社に送ることで、買い取ってもらうことができます。これを売電といいます。

 

このように売電することで収入を毎月得ることができます。では、この金額はどのように決まるのか、誰が負担しているのか、解説していきます。

 

FIT制度

FIT制度とは、固定価格買取制度のことで、太陽光発電でつくられた電気を、あらかじめ決められた価格で売電ができる制度です。10kW未満の住宅用であれば10年間、10kW以上の産業用であれば20年間、固定価格での買取が電力会社に義務付けられています。

 

FIT制度による買取価格は毎年見直されています。10kW未満の住宅用の場合、2023年度は16円/kWhです。2022年度は17円/kWh、2021年度が19円/kWhとなっており、年々低下傾向にあると言えます。

 

[発電量の単位]

 ・kW:ソーラーパネルが瞬間的に出力する発電能力を表す

 ・kWh:ソーラーパネルが1時間あたりどの程度発電できるかを示す

買取価格の推移

固定価格買取期間が満了した後は、各電力会社との相対・自由契約といって、個別に買取契約を結びます。売電単価は安くなるかと思いますが、余った電気を売り続けることも可能かもしれません。

再エネ賦課金

売電収入の原資は、全国民から再エネ賦課金という名目で、毎月の電気代の一部として、電気使用量に応じて徴収されています。このように全国民から徴収し、太陽光発電を設置している方にだけ分配されているのです。

 

2023年度の再エネ賦課金は1.40円×kWhとなっています。仮に、月に400kWh(4人家族の平均電気使用量)の電気を使用したとすると、400kWh×1.40円=560円となります。

 

この単価も毎年見直されています。制度導入以来上がり続け、2022年度は3.45円/kWhとなっておりましたが、2023年度に初めて引き下げられました。これは、ウクライナ侵略の影響による急激な市場価格の高騰により、再エネ電気の販売収入(回避可能費用)が増加することなどが影響したと言われております。

 

再エネ賦課金の推移

 

蓄電池の仕組み

蓄電池とは、2つの電極と電解液で構成されています。正極(プラス極)と負極(マイナス極)の2つの電極の間を電子が動くときの化学反応によって、電気を蓄える「充電」や電気を使う「放電」を行える装置です。蓄えられる電気の種類は「直流」となります。

 

では、この蓄電池はなぜ普及しているのでしょうか。また、太陽光発電とセットで使用するとどんな良いことがあるのか解説していきます。

 

蓄電池の普及

家庭用蓄電池の設置台数は右肩上がりに増加しており、ここ数年は毎年10万台以上売れています。理由としては、大きく2つあると考えます。

 

一つ目は、台風などによる災害で大規模停電が各地で毎年起こっている影響で、停電対策として蓄電池を設置する人が増えたということです。

 

そして二つ目は、2009年に始まったFIT制度の影響です。余剰電力を高い単価で売電できる固定買取期間(10年間)が終わった方が、2019年から出てきているためです。

 

蓄電システムの出荷実績

引用:定置用リチウムイオン蓄電システム 出荷実績│JEMA自主統計│各種統計データ│JEMA 一般社団法人 日本電機工業

 

太陽光発電と蓄電池

太陽光発電と蓄電池のセットで設置する方が増え始めたのは、2018年頃からです。

平均的な世帯での電気代単価が約26円なのに対し、2018年度の売電単価は26円、翌2019年度が24円となり、買電単価より売電単価が低くなったタイミングと一致します。

 

2023年度の買取価格単価は16円となっており、太陽光発電で発電した電気を余らせて売電するよりも、蓄電池に貯めて使った場合は26円を払わなくて済むので断然お得になります。このように余らせて売るよりも、貯めて使う方がメリットが出るようになったため、太陽光発電と蓄電池をセットで設置する方が増えているのです。

 

 

まとめ

 

太陽光発電は、災害時の備えにもなるクリーンなエネルギー源です。

日本は、2050年までに「カーボンニュートラル」を目指しており、そのためには、住宅への太陽光発電設置は必要不可欠となっております。ただし、太陽光発電の仕組みや売電に関する制度について、正しく理解していないと、損をする可能性もあるでしょう。

 

例えば、共働き家庭では、太陽光発電が電気をつくるタイミングと家庭で電気を使うタイミングがマッチしづらいと考えられます。そのため、電気を蓄えておく蓄電池がなければ、つくった電気を十分に使うことができずに、たっぷり発電しても、使わないまま安い金額で電力会社に売ってしまうことになってしまいます。

 

電気代がいつ高騰するかわからない現代においては、蓄電池によって、自家消費を増やし、電力会社から買う電気を上手に減らすことが、電気代の節約につながるでしょう。

このように、蓄電池は、昼間しか発電できない太陽光発電システムの弱みをカバーしてくれる存在であり、エネルギー自給率向上の手助けをしてくれます。

 

今後、太陽光発電と蓄電池の存在感は更に増していくと考えられます。

太陽光発電と蓄電池の仕組みを理解し、ご家庭にとって、どのようなメリットがどの程度あるのか、一度検討することをおすすめします。

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「栃木セキスイハイム」編集部

住まいの販売から土地活用でおなじみの栃木セキスイハイムグループが、家づくりの「わからない」にお応えします。建築士・宅地建物取引士など住まいの専門家による監修のもと記事の執筆を行っています。

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